新しい年2022年(令和四年)が二か月目を迎え、先日3日は節分でした。

 明くる4日は立春。

これ、春の始まりのことだと思っていませんか?

それは間違いです。

春の始まりならば「春立」で、立春とは春を立てるということです。

まだ全然春ではなくてその兆しもなかなか見えませんがやがて来る春に備え心を立てる。心を春に向ける。

キリスト教は心を神に向けるといいます。原罪の軛により神を離れている自らの心を春に向けるように神に向けて立つということ。立つことは復活の象徴ともされます。

立秋もまた秋の始まりではなく秋を立てるということで、秋は「とき」とも読み、時を立てるということは何らかの良いことを始めまたはそのための準備をするということ。もっと秋めいて凌ぎ易くなって来てからではなくまだ暑さの残るややしんどい時に始めてこそ強いのでしょう。

春を立てるにも秋を立てるにも、人の力だけではなく自然の力や神の力が必要です。

キリスト旧教は父と子と聖霊(聖神)の神への祈りに加え、子なる神であるイエスの母聖マリアへの祈りを大切にします。

ここではその信仰における意義についてではなく心理的意味について考えます。それが信仰として意義のあることとされるのは心理的にも意味があるからです。

偶に、「そんなことよりこれが大事だ。」というようなことを云う人がいませんか?

マリア信仰はそのような考え方とは相容れません。

今はあまりそうでもありませんが、昔のキリスト新教はそもそもマリア信仰というものを持たないことから、旧教のマリア信仰についてはまさに「そんなことよりこれが大事だ。」という見方や構えを取る信者が多くいたようです。「そんなこと」とは聖マリアを信ずることで「これ」とはイエスをキリスト(救い主)と信ずることです。

今は恐らく宗教信仰を含む自分の思想や存在を属性(genders)と同一視することは廃れつつあってキリスト教の信仰のあり方にしても自分の率直な感覚を必要に応じ属性に随い補正するという構えが多くなって来ており(いずれにせよ属性を全く不問ではあり得ない。)、新教のキリスト者にもマリア信仰を全く無意味と断ずる向きはあまりありません。但し誤解が異端や頽廃を生む虞はあるので新教がマリア信仰も取り入れようということは間違いでしょう。地域差別のようですが、新教圏は異端や頽廃につながりかねない誤解が生じ易い土地柄でもあります。日本のキリスト教人口も新教が旧教を上回るのでどちらかといえば新教圏に近い土地柄です。

そういうこともあり、マリア様がいなければキリスト教じゃないとはいえません。

しかしマリア信仰と聖マリアへの祈りには意味があります。

それが「これも大事だがそれも大事だ。」という考え方です。

その「これ」とはイエスをキリスト(救い主)として信ずることであり、「それ」とはその母聖マリアを信ずることです。

「それもいい(悪くない)けどこれが大事だ。」ではありません。どちらもとても大事なのです。

一年の計なんかもそうですが、何かを変えようとする時、心を改めようとする時に、それまでの旧いものを捨て去って新しいものに完全に入れ換えるのではなく、旧いものをとりあえずは捨て去らずに新しいものを取り入れる。

イエスは古い葡萄酒は古い革袋に入れ、新しい葡萄酒は新しい革袋に入れるものだと云います。それはイエスが初めて説いたことではなく在来の常識を肯定する意味で云ったことです。

そこでイエスは古い葡萄酒は古い革袋に入れて捨てろというのではなく、古いそれらと新しいそれらをまずは分けておくべきだと説いています。そうしてどちらをも生かせる限りに生かす。

古い葡萄酒と古い革袋とはイエスが原罪を負って十字架に死することの象徴。

新しい葡萄酒と新しい革袋とはその十字架の許に佇む聖マリア(と聖ヨハネ)らの手によりイエスをキリストとして信ずる教会が立てられることの象徴。故に聖マリアは教会の母と称されます。

電車の換気のように心を入れ換えるのではなく、心に新たな息吹を付加する。

それが聖マリアへの祈りに象徴される神への祈りです。

尤も、旧いものを全く捨てることなく溜めてゆく一方にはできず、いつかは捨てなければならないものもあります。しかし捨てますと言って捨てたものをやはり要りますと言って買い直したり、それもできずに捨て去ったものを後悔することは賢明ではありません。

無駄なものを持たずにすっきりと暮らすことは大切ですが昨今の断捨離ブームはいわゆるreboundによる開き直りからむしろ無駄が増したり捨てたことを悔いたりする不賢明を煽ってもいるように思えます。

少なくともキリスト教的生活とは断捨離ではありません。葡萄酒と革袋のように確りと分けて整頓することや御心に適うものを手に入れること、御心に適わないものを手に入れないことが大切です。

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